
正義感で空回り?現代に増えるドンキホーテ型人間の心理とは!〜風車に挑み続ける若者たち〜
「正義のために戦っているのに、周囲からは”痛い人”扱い」
「誰も共感してくれなくても、自分の理想に向かって突き進む」
彼らのような人々を昔の小説に準えて”ドンキホーテ”みたいだな、と言われることがあります。
今回はそんな『ドンキホーテ症候群』について紹介していこうと思います。
目次
Toggle概要
ドンキホーテ症候群とは「現実を無視した理想主義に固執し、現実的妥当性を欠いた行動を取る心理傾向のこと」を指します。
1605年、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』がこの名前の由来になりました。老騎士ドン・キホーテが騎士道小説に心酔し、現実と幻想の区別がわからなくなりながら正義のために戦う物語です。
理想への執着:高すぎる目標や価値観を絶対視する
認知の歪み:現実とのギャップを軽視または否認する
自己犠牲:自分を削ってでも理想を遂行しようとする
社会的孤立:周囲と衝突し、共感されにくくなる
ナルシズム的要素:自分を特別な存在だとみなす傾向
ドンキホーテ症候群は強い信念と行動力、周囲が諦めた問題にも立ち向かえる勇気であったり、利己的ではなく純粋な動機で動けるメリットがあります。
ただし現実的視点と他者の声を無視していると「孤立し、空回りする痛い人として消耗してしまう」こともあるので注意が必要です。
ブラック企業を改革しようとする新人:組織の実情をみず、理想論で闘争し摩耗してまう。
ドン・キホーテ症候群は「理想に生きることの表と裏」を象徴します。現実を無視して突き進むことは自身が傷つくこともありますが、ときにそれは自分を変えるきっかけの第一歩にもなりえるのです。
世界一有名な”痛い人”?小説『ドン・キホーテ』

作品紹介
著者:ミゲル・デ・セルバンテス
初版:前編1605年、後編1615年(スペイン)
ジャンル:長編風刺小説・冒険・哲学・文学パロディ
原題:『エル・インへニオソ・イダルゴ・ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』ラマンチャの才気ある郷士 ドン・キホーテ
あらすじ
騎士道小説の読みすぎで、自らを”放浪騎士”と信じてやまない老騎士ドン・キホーテ(本名:アロンソ・キハーノ)。彼は農民のサンチョ・パンサを従者にし、世直しの旅に出発します。
風車を巨人と信じて攻撃したり、普通の宿屋をお城と思い込むなど…現実とズレた勇敢な妄想の数々。
他人から見ればただの空回り。しかし、ドンキホーテは自らの理想を信じ、世の中を少しでも良くしようと足掻き続けるのでした。
その姿はどこか切なく人間臭さを体験させられます。夢と挫折、人間の尊厳とは何かを問いかけてくる。そんな奇妙で悲しくもユーモラスな物語。
推しポイント3つ!
1・現代にも通じる理想と現実のギャップ
正義のために!…でも実際は勘違い。ドン・キホーテの行動は空回りだらけ。でも…なぜか憎めないなどなど。
2・お供のサンチョが最高にいいキャラ
付き合わされる農夫サンチョ・パンサのツッコミと現実感が絶妙!
主人と従者のちぐはぐなコンビ感がクセになります。
3・笑えるのに、読後にはじんわり
誰からも笑われ、痛い目に遭って、それでも「自分の信じる世界」に生きる姿に、勇気と切なさが同時に押し寄せてきます。
名シーン:「風車への突撃」
ドン・キホーテは遠くにそびえる風車を「巨人」だと信じ込み、馬に跨って戦いを挑みます。結果、もちろん風車の羽に吹き飛ばされて大失敗。
この象徴的シーンは「誤った信念に基づく空回り」の象徴として、現代でも比喩として使われます。
まとめ
ドン・キホーテはただの笑い話ではありません。それは、不器用で滑稽な人間の姿を通して、”信じるとは何か”を問いかける永遠の文学なのです。
世界がどう見ようと、自分の信じる世界を生きようとした男。あなたの中にも、そんなドン・キホーテが眠っているかもしれません。
こんな人におすすめ!
・現実主義と理想主義、どちらにも心あたりがある人。
・不器用でも自分の信念にこだわりたい人
・空気読めない人がちょっと愛おしく見える人
・古典を読みたいけど堅苦しいのは苦手な人
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