
フィンランドの国旗
目次
Toggleフィンランド共和国の基本情報
フィンランド共和国(Finland/FIN) |
正式 | Republic of Finland | 首都 | ヘルシンキ |
人口 | 556万人 | 面積 | 33.8万平方km(日本よりやや小さい) |
言語 | フィンランド語・スウェーデン語 | 通貨 | ユーロ |
フィンランドの国旗:意味・由来・解説
『フィンランドの国旗🇫🇮』は通称”青十字旗(あおじゅうじき)”と呼ばれ、旗の先端まで青色の十字模様が描かれた白い背景が特徴のデザインです。20世紀初頭にフィンランド国旗として正式に採用されました。
以下色の説明

『白色』雪

『青十字』キリスト教/湖・海・空
フィンランドの国旗は「商船・軍艦船」のために作られたと言われています。19世紀中頃、当時のフィンランドはロシア帝国の支配下に存在し、ロシア帝国と同一の国旗を使用していました。そのため航海中にロシアの敵国に攻撃されることが多く、『青色の十字に白の下地』である別の旗を用い始めたことがきっかけだそうです。
北欧の国旗:なぜ十字?
北欧の国旗によく見受けられる十字の模様。この模様は『スカンディナヴィア十字』・『ノルディック・クロス』と呼ばれ、キリスト教を象徴するデザインです。

デンマークの国旗
ノルディック・クロスが最初に登場したのはデンマークの国旗(通称『ダンネブロ』)から。
デンマークに伝わる伝説によると「1219年。デンマーク軍がエストニアで戦っていた時、天からこの旗が降ってきた」と言われています。
13世紀ごろ欧米諸国はキリスト教の布教活動に力を入れていました。デンマークもそのうちの一つです。
1397年、デンマーク遠征にてデンマークを盟主とする「デンマーク・ノルウェー・スウェーデン」による『カルマル同盟』が結ばれます。その際に『黄色・赤』にノルディック・クロスを用いた新しい旗(後述)が使用されるようになり北欧に十字模様の文化が流入。現在使用されている北欧諸国の国旗デザインに影響を与えました。
フィンランドの国旗:使用用途

フィンランドの政府旗
フィンランドの国旗は誰しもが『国旗を掲げるのに適している』と感じたら掲揚を許可されています。また、国旗のデザインは主に4つ存在しており、使用者によって使うことができる旗が法律で定められています。
通常の国旗である『一般旗』は市民・組織・自治体・県など幅広く利用することができます。政府や教会(国教)などの公的機関は一般旗の「青十字が交差する正方形の部分」に国章が入った『政府旗』を利用することができます。
フィンランド国防軍や軍艦旗として利用できる『軍旗』は政府旗を「3つ尾の燕尾型」にしたものであり、横の比率が一般旗・政府旗と比べて少しだけ大きくなります。また『大統領旗』も同様に3つ尾の燕尾型デザインですが、旗の左上部分に『自由十字勲章(後述)』を模した十字模様が入れられています。

3ツ尾の燕尾型の軍旗

3ツ尾の燕尾型の大統領旗
自由十字勲章

フィンランドには3つの勲章があります。『白薔薇勲章』・『獅子勲章』そしてそのうちの一つが『自由十字勲章』になります。
1918年3月4日『マンネルハイム』元帥によって設立され、軍事・国防に貢献した人物や団体に授与されました。
国旗の遷移・歴史
フィンランド大公国:国旗・解説
かつて、フィンランドは14世紀から18世紀にかけて隣国『スウェーデン王国』の一部でした。1808年に起きたフィンランド戦争(スウェーデンvsロシア帝国)において、スウェーデンは敗北。フィンランドはロシア帝国に割譲され『フィンランド大公国』として自治権を得ます。

フィンランド大公国の国旗 1809年〜1917年
国旗は『白・青・赤』の三色旗であるロシア帝国と同様のものが使用されました。
この『フィンランド大公国』時に現在使用されいているフィンランド国旗の元となるデザインがいくつか考案されることになります。
1つ目は、1848年に非公式国家『我が祖国よ』と共に制定された旗のデザイン。フィンランド国章を月桂樹の葉で囲んだ白地の背景を特徴とするもので、『最初のフィンランド旗』だと言われるものです。
2つ目は、1861年ロシア皇帝アレクサンドル2世がニーランド・ヨットクラブに対し掲揚を許可した『青い十字を垂直に立てた白旗』で『ニーランド州の紋章を上隅に掲げた』旗のデザインです。当時ロシアの船舶は敵国からの攻撃を受けており、フィンランド船がその被害に巻き込まれることが多々ありました。
そのため、ロシア船とフィンランド船の区別を明確にすることを目的に規定が作られたと言います。
また、この時期にフィンランド国内では国旗の制定に関する議論が何度か行われますが、正式に採用されることはありませんでした。
フィンランドは当時のロシア皇帝『アレクサンドル2世』の治世、通称『自由の時代』の元、国の基盤が作られていきます。その後、ナショナリズムの芽生えやロシア帝国の情勢不安により、フィンランド国内では独立を望む声が強まっていくのでした。
『フィンランド:ナショナリズムの芽生え』
”「我々はスウェーデン人には戻れない。しかしロシア人にもなれない。そうだフィンランド人でいこう(Ruotsalaisia emme enää ole, venäläisiksi emme voi tulla; meidän täytyy olla suomalaisia.) 」”
引用元:2025年6月8日 (日) 07:03. In 『ウィキペディア日本語版:スウェーデンの国旗』from :https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
フィンランド王国:国旗・解説

フィンランド王国の国旗 1917〜1918年
1907年ロシア革命によりロシア帝政が崩壊。それを機にフィンランドはドイツ帝国の支援を元に『フィンランド王国』として独立を宣言。国旗は『赤の下地』に『フィンランドの国章を真ん中に配置』した臨時のものが使用されました。
同年、フィンランド国旗のコンペティションが開催され様々な国旗のデザインが募集されます。応募作品は『赤・黄色』のフィンランド国章の色を主体とするもの、『青・白』の現在のフィンランド国旗の色を用いた2つの系統に大別されました。

フィンランド王国の国旗 1918〜1920年
最終的には芸術家『エーロ・スネルマン』と『ブルノ・トゥーッカネン』らによりデザインの調整が行われ、現在使用されているフィンランド国旗とほぼ同じようなデザインが採用されます。(1918年5月25日)
※ちなみにこのデザインは詩人『ザクリス・トーペリウス』が1860年代に提案したデザインが元になっていると言われています。
フィンランド王国は王党派らによる立憲君主制の国でしたが、支援国ドイツ帝国の崩壊とともに共和政への道に移っていきます。フィンランド王国は1907〜1908年の1年間のみ存在した短期国家でした。
その後、1978年の国旗デザインの調整により現在使用されている国旗と同様のデザインに変更されました。(薄い青→濃い青)
国旗:法律・規定
フィンランドでは国旗は『尊厳を持って扱うべき国家の象徴』とされており、一般市民でも掲揚は自由に行えますが、規則と礼儀を守ることが義務付けられています。特に『政府旗』・『軍旗』は一般には使用できないため注意が必要です。
「国旗の色・サイズ・用途」などは法律で定められており、これらを無視して使用・販売することはできません。違反するとフィンランド国旗に恥を欠かしたものとして罰金を請求される場合があります。
旗の規格は、一般旗が『11:18』のサイズ。燕尾型となる大統領旗・軍旗は『11:19』になります。青十字のサイズ比率は垂直方向(白:青:白)に「4:3:4」。同様に水平方向で「5・3・10」にしなければなりません。
また、通常の国旗『一般旗』は市民・組織・自治体・県など幅広く利用することができ、十字中央に国章が入った『政府旗』は政府機関・教会(国教)などが利用することができます。『軍旗』はフィンランド国防軍・軍艦旗。その他には『大統領旗』などが存在します。
やってはいけない国旗の禁止事項(一部)を説明するで〜
・国旗に無断でデザインを追加すること
・国旗を破損・無礼な扱い・許可なく国旗を下ろす等の行為
・規定を満たさない国旗の使用・販売
・汚れた旗・破れた旗の使用
・一般人は『一般旗』のみの使用が可能。
【フィンランド国旗:使用規定】
フィンランドの国旗は掲揚時間が決められており午前8時に掲揚され、遅くとも夜9時までの日没と共に下げる必要があります。ただし、夏至祭や独立記念日など特別な日はこれに該当はしません。
フィンランドでは国旗を掲揚する『旗日』が公式・非公式含め約20日程存在(世界最多)しており、年によって掲揚日数の変動があります。政府は毎年、内務省を通じて正式な『旗日カレンダー』を発表し、後述する『フィンランド:公式国旗掲揚日』以外にも著名人の誕生日や国民的行事を追加する場合があります。
また、全ての公的機関は旗日において国旗を掲揚する義務が存在します。一般市民は任意ですが掲揚を強く推奨されています。
フィンランド:公式国旗掲揚日 |
2月28日 フィンランド文化の日
4月9日 ミーカ・ヴィルタリの日
5月1日 メーデー
5月第2日曜 母の日
6月4日 国防軍の日
6月第3日曜 父の日
6月下旬の日曜 フィンランド 国旗の日
10月24日 国連デー
12月6日 独立記念日
参考
・PRESIDENT OF THE REPUBLIC OF FINLAND:https://www.presidentti.fi/en/presidency/symbols
・2024年10月15日 (火) 06:14. In 『ウィキペディア日本語版:フィンランドの国旗』from :https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%97%97
・2025年6月8日 (日) 07:03. In 『ウィキペディア日本語版:フィンランドの歴史』from :https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
・ 2025年7月13日 (火) 15:26 . In 『ウィキペディア英語版:Flag of Finland』from :https://en.wikipedia.org/wiki/Flag_of_Finland#:~:text=The%20national%20flag%20of%20Finland%2C%20also%20known%20in%20Finnish%20as,Nordic%20cross%2C%20which%20represents%20Christianity.&text=Sea%2Dblue%20Nordic%20cross%20on%20white%20field.
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