
〜禁じられるほど恋は燃える〜その心理の正体とは?『ロミオとジュリエット効果』
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「周囲に反対される恋ほど、なぜか余計に燃え上がってしまう」そんな経験、心当たりないでしょうか?
この心理現象は、心理学で『ロミオとジュリエット効果』と呼ばれています。
名前の由来は、世界的に有名なシェイクスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』から。家族から交際を禁じられた2人が、むしろ愛を深めていった物語です。
ロミジュリ効果が起きる理由は?
恋愛映画や小説などでもロミオとジュリエット効果、あるあるですよね。例えば、立場的に一緒になれない「教師と生徒の禁じられた関係」だったり。親の転勤による「突然の別れ」などなど。
現実でいうと駆け落ちや不倫などがこれにあたるではないでしょうか。
また、研究によると周囲の反対が強まるほど恋愛感情が高まることが実際に証明されています。
では、なぜロミオとジュリエット効果は起きるのでしょうか?
アメリカの心理学者ジャック・ブレームによると人には「心理的リアクタンス」と呼ばれる機能が備わっているそうです。
これは「人間は自分の自由が脅かされると、その自由をとり戻そうとする心理的反発がおこる」機能のことです。
禁止された恋に人は自由を奪われたと感じる。その結果、心理的リアクタンスが働き、恋を余計に求めるようになるのです。
その他にも、禁止されるほどやりたくなる「カリギュラ効果」であったり、ドキドキや緊張を恋だと認識する「吊り橋効果」が働いているとも言われています。

注意!それは本当の恋ですか?
この実験には以下のような調査が行われました。
1.調査対象は恋愛関係にある若者カップル(大学生合計140組程度)
2.調査対象を親からの干渉が高いグループと低いグループの2グループに分ける。
3.情緒的な結びつき、満足度、関係持続の意思などを愛情スコアで計測する。
4.調査は第1回と第2回(1回目から3週間後)の2回に分けて行う。
第1回調査では親から反対されているカップルの方が明らかに愛情スコアが高かった。
第2回調査(3週間後)では、愛情スコアは両グループともに低下。
特に反対されていたカップル間で、ストレスや不安、口論の頻度が上昇し、一部ではすでに破局したカップルまで存在した。
この結果から「親の反対は短期的には、恋人同士の情熱を高めるが、長期的に見れば関係の健全性を損ねる可能性が高い」とドリスコールらは主張したそうです。
ロミオとジュリエット効果には注意も必要です。
この効果は一時的な感情の高まりに過ぎず、長期的に見ると恋愛のストレスや周囲からの孤立が影響で破局を招く可能性があるからです。
以下の点には注意しましょう。
- 恋しているのではなく禁じられた恋に燃えているだけの可能性
- 一緒になった後、現実とのギャップで熱が冷めると一気に崩壊するリスク
- 周囲との関係悪化により支援者がいなくなり、恋の持続が難しくなってしまうパターン
そのほかにも、燃え尽き症候群により壁を超えた後、障害がなくなった瞬間に熱が冷めてしまうケースもあるんだとか。
恋愛における障害は感情を増幅させるが、持続には別の要素が必要。
真のパートナーシップには他者からの支援や健全な環境が不可欠という裏返しの結果なのかもしれませんね。

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